「KT Eri の 比較星についての検討」

 Celestron C11  280mmでの KT Eri の観測結果についての考察

1 これまでの整約結果について、

   (グラフ1   1/18のライトカーブ)

 


1/18の結果に代表されるように(グラフ1)、低空になるにつれてC2-C1が右上がりになるという問題点があった。 比較星の組み合わせの問題として、1/18の観測を用いて、比較星の組み合わせを何組か変えて、整約をやり直し てみた。  A 変更    C1=GSC 5325_1795(11.0)   C2=GSC(5325_1282(13.4)  B 変更    C1=GSC 5325_1049(12.0)   C2=GSC(5325_1282(13.4)  C 当初の整約 C1=GSC 5325_1795(11.0)   C1=GSC 5325_1049(12.0)  (グラフ1の比較星)    D 変更    C1=GSC 5325_1049(12.0)   C2=GSC(5325_1873(13.2)  E 変更    C1=GSC 5325_1049(12.0)   C2=GSC(5325_1067(12.5) 2 比較星の組み合わせを変更した場合のC2-C1の違い   (グラフ2 比較星の組み合わせの違いによるC2-C1の変化(グラフは上からEBCADの順))    Cが当初整約に使っていた比較星の組み合わせ。    Aは、Cと同じC1を使い、C2は異なる星を利用。    BDEは、Cで用いたC2をC1として整約      BDEではC2はそれぞれ異なる    ※ 15UT あたりで、データがとぎれているのは、望遠鏡西から東への変更のため。 3 西の空での大気減光について    C1もC2も暗くなっていく。=値が大きくなっていく。 この変化の割合の違いが、右上がりや右下がりとして表れる。     4 AとCについて。  C2-C1が、右上がり = C2-C1が小さくなる。  C1の方が値が大きくなっていく割合が大きい。  C1の方が低空の影響でより暗くなる。 C2が赤系、C1のほうが青系  AとCは、共にC1が青系に対し C2の色が赤系と考えられる。 5 BDEについて    BとEはほぼ水平。     こちらのC1とC2の組み合わせは、同系の色。赤系。4よりC1は赤系   Dは右下がり          C2-C1が、右下がり  = C2-C1が、大きくなる。   4より、C1は赤系  低空になってもC1は高度の影響を受けにくい(値があまり変化しない。)    C2が高度の影響を大きく受け、低空になるにつれてどんどん暗くなっている。(C2は青系) 6 比較星の決定    C1とC2の組み合わせのことだけ考えれば、同系色の星の組み合わせであるBとEが適している。   また、ばらつきの少ないEがより適していると考えられる。 7 さらなる問題点   1から6により、C2-C1が水平になるような比較星の組み合わせを選択しても、それよりも大きな 問題点として、VとC1の色の違いが考えられる。   (グラフ3  比較星C1の違いによる、V-C1のライトカーブの違い) 上のグラフはAとC 下のグラフはBとDとE  当然ながら、同じC1の組み合わせの中では V-C1のライトカーブへは、C2の色の違いは表れてこない。  CとEの比較星の組み合わせで、V-C1の値の差をとってみると、   (グラフ4 V-C1の差)    これは、CにおけるC2-C2のグラフと一致する。    1/18の結果で言えば、右端では0.12等くらい差が出てくる。   当日の観測終了時の高度は10度くらいではなかったかと思います。   測光には無理な高度ですが、突発現象に備えて敢えて限界まで測光しました。 8 結論    岡山理科大の修士課程卒論発表会への車中で大島さんからアドバイスをもらいました。  @C1とVは同じ色の星を選ぶ。できればC2も同じ色がよい。   Aこれまで行ってきたCCD観測では、@について検討していなかった。 (近くの明るい星を使っていた。)    得られたライトカーブは正確でない可能性があることがわかった(特に低空で)。   B厳密には大気減光補正を行う必要がある。    @は、知識としてはあったのですが、これまでやっていたtransit観測では   あまり問題にしていなかったので忘れていました。       比較星の色を考慮せずに得た結果(ライトカーブ)は、必ずしも真実を表していないと   いうことが分かりました。        観測結果をグラフ化してしまうと、あたかもそれが真の変化をとらえたように錯覚して   いました。場合によっては。偽りの変化をとらえていたのかもしれません。    新たな天体を測光する場合、これまでは、星図上で明るい星を探し、比較星の候補を決めた   上で、実際に撮像してみて比較星を決め、構図を決定していました。    その際に、星の色について考慮していませんでした。これが今後の課題です。  皆さんは比較星の決定はどのようにされていますか。  

H.Akazawa

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