FR Ori のδ Sct 振動発見


 オリオン座FR星(FR Ori)は10.7等星から11.7等星の範囲で
明るさが変化する食連星(食変光星)です。

この星の位相図を作るために、2012年2月2日から連続測光を始めました。
初日の観測結果をひと目見て、15年前のRZ Casの時のことがよみがえってきました。
食の後半のグラフに見られるうねりが、RZ Casの時と同じでした。スライド1

このことからFR Oriはδ Sct振動をしていると確信し、
より精度よく観測するために、望遠鏡を大型のものに換えて観測を続けました。
その結果、食外での振動や食の底でのいびつな変化などを捉えることができました。。スライド2

中村泰久さん(元福島大)と大島 修さん(岡山理大)からご協力をいただき
2012/09/19に大分大学で開催されていた日本天文学会で発表しました。スライド3
学会発表の2カ月後に、中国のグループがこの星の観測を始めました。
中国国立天文台の60cm望遠鏡を使った8日間の観測から、
2014年2月にδ Sct振動発見の論文を発表しました。

論文では中国に先を越されてしまいましたが、AAVSOには登録されていなかったので、
中国グループの発見より8カ月前の自分のデータを使って解析したδ Sct振動のグラフを。
AAVSOのVSXに登録しました。スライド4

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